|加齢臭が漂う観客席の静かな熱気・・・。

加齢臭が漂う観客席の静かな熱気・・・。

同時代の苛烈な生き方に誘われた中年に混じって、若者の姿もちらほらと。

社会のあらゆる擬制に対して「異議申し立て」に力があった60年代〜70年代という時代。そこに、べっとり張り付いている連合赤軍という存在に改めて光を当てた。

3時間は長いなと当初思いつつも、あっという間に過ぎた。イデオロギーに溺れ、自らを追いつめ、自害してゆく「若さ」の苛烈さ、痛々しさに打ちのめされた。革命を夢見る若者らが仲間の殺戮を繰り返すリンチを繰り返す。目を背けたくなる集団の狂気を、カメラは容赦なく、執拗に描き出す。

カメラの目線を共有する観客は、否応なく凄惨な現場に立ち会わされて、まさに見る者としての「総括」を迫られる。 吐き気さえ覚える緊張。

サンクタス四谷・曙橋ルーセンシティ(エキチカ)

若松監督が操るカメラこそ、最強の凶器と気付く。

俳優らの演技も極限を演じて言葉を失う迫力がある。抑えた音楽も効果的で、色彩を落とした画質がくぐもった時代背景を感じさせる。

不満をあえて言えば、登場人物がなぜそこに至ったのか、闘争に加わる個々の事情説明が薄く、一人一人の生き方にまで思いが及ばないことだろうか。集団を描いたが故に、個人の描写が薄くなった。

時代を知らぬ者は、どこまでこの映画について行けるだろうか。

ほんの少し前の時代なのに。

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映画のクライマックスで出てくる例の台詞やクッキーのエピソード。なんと、監督が坂東国男から当時の山荘の模様を聞いて描写したものだそうだ。若松監督恐るべし。

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